2019.12.25

ニュース

将来の三ツ星シェフが集結! 「調理技能コンクール」北海道No.1決定戦に潜入

今回は「キセキのシェフ」。道内の選ばれし料理人たちの技術とプライドがぶつかり合う「調理技能コンクール」にカメラが潜入!北海道全調理師会が年に1度開催、道内最大級の料理コンテストに人生をかける、1人の料理人に密着しました。

~【大会1週間前】2019年10月19日~

閉店した店内で、1人黙々と練習に励む料理人がいます。曽野部一十興(そのべかずとよ)さん。今回、日本調理部門で室蘭支部代表として選抜されました。
 
曽野部さん:「大会出場は今回で4回目。もう悔しい思いはしたくないので、なんとか金賞をとりたい」
曽野部さんは19歳の頃から札幌の一流日本料理店で腕を磨き、現在は室蘭で創作居酒屋など5店舗を展開する飲食チェーンの総料理長を務めています。
 
今回、北海道の良さを料理で表現するために1か月以上も前から準備を重ねてきました。でも曽野部さん、なぜ何度も出場しているんですか?
 
曽野部さん:「自分がどこまでできるのかという”挑戦”ですね。この大会は小さいときから父に連れられて見ていたので、僕も大きくなったら必ず出たいと思っていたんです。最初は納得のいくものがうまく作れなくて、すごく悔しくて…。自分を見つめ直す機会になりました」
曽野部さんに出場のきっかけを与えたのは、室蘭で料亭を営む、父・好信(よしのぶ)さん。
 
かつて、人気番組「料理の鉄人」に道内から唯一出演し、現在は北海道日本料理研究会の会長も務めています。
 
父・好信さん:「35年ほど前に出場して、最初は銅賞、そして銀賞をもらい、金賞はあきらめました。息子は時間も気にしないで働く人間です。私が金賞をとれなかった分、とってもらいたいですね」
 
そんなお父さんの意思を継いで挑み続けるコンクールですが、難しい点はどんなところなのでしょうか?
 
曽野部さん:「廃材の処理の仕方とかですね。どんなにきれいに作っていても、散らかっていたり、そういうのも含めてトータルでの審査なので、それがすごく難しいです」
 
他の料理コンクールと決定的に違うのは、50分という時間制限の中、調理中の立ち振る舞いや衛生面への配慮、後片付けに至るまで全てが審査対象になるということ。
 
今回は「一葉落ちて天下の秋を知る」ということわざをテーマに作ります。旬の秋鮭など、道産を生かした作品です。
それでは、本番さながらの練習がスタート!今回、曽野部さんが使うのはこちらの16種類の食材です。同じ材料を使って、その中でどれだけ個性を出せるかが金賞へのカギ。手際の良さと同時に芸術性も求められるという、極限の状態での技術力が問われます。
 
と、その時突然…。
 
曽野部さん:「竹串が3本足りない…」
メイン料理に使う竹串を用意し忘れるという、あってはならないミスが…。本番ではもちろん、時間を止めることは許されません。
さらに、再びトラブルが…!
なんと、火が入らないうちにパスタに触ってしまったため、箸がパスタから離れなくなるトラブルが…。これは手痛い時間ロスです。
 
本番さながらの練習で浮き彫りになった問題点は、パスタを揚げる油の温度の調整と、後片付けをいかに調理と同時に終わらせるか。仕事中も練習のために率先して食器の後片付けを行い、閉店後は夜遅くまで何度もパスタを揚げ、油の温度の調整や入れるタイミングを微調整していきます。
 
本番まで1週間。果たして修正することができたのでしょうか…?

~【調理技能コンクール当日】2019年10月27日~

開始15分前、なんとメイン料理で使うカブが練習で使用していたものよりも小さいという問題が…。サイズの変更を申し入れますが、取り替えてもらうことはできませんでした。
と、ここで…。
 
「競技を開始してください!」
ついに曽野部さんの4度目の挑戦がスタート。曽野部さん以外に日本調理部門にエントリーしているのは、名だたるレストランやホテルなどで腕を振るってきた9人の料理人たち。
調理中は5人の審査員が、それぞれの調理工程を技術面・衛生面で厳密に審査。緊張感が漂う中、曽野部さんは何十回と練習を重ねてきた料理を一つ一つ、素早く丁寧に仕上げていきます。
 
懸念していたカブの小ささも切り込みを入れる幅を調整し、ここまで大きなミスはなし。時間の配分も問題ありません。審査員の厳しい目に曽野部さんの料理はどう映るのか…。
 
~残り時間20分~
 
次に取り掛かったのは、最大の見せ場でもあるパスタの三つ編み。慣れた手さばきで次々と編み込んでいきます…。
~残り時間10分~
 
ここまでは順調に進めてきましたが、なんとまたしても練習中に苦しめられたあのトラブルが!気づかないうちに鍋の火が消えていたため、パスタを揚げるための油が温まっていなかったんです。
 
何度も練習した工程での痛恨のミス。思わず焦りの表情を浮かべる曽野部さんですが、他の作業を優先することに。油の温度が上がるのを待ち、パスタを投入。しかし焦りからか、うまく丸く揚げることができませんでした。
何とか時間内に完成し、提出が済んだのは終了の15秒前!まさに間一髪の提出でしたが、練習での反省を生かし、盛り付け作業の前に調理器具を片付けていたため、何とか時間内に収めることができたんです。
 
曽野部さん:「火加減とか甘いところもありましたし、想定と違ったとかもあったので、本番は難しいですね…。でも、やるだけやったので後は結果待ちです」
 
いよいよ結果発表…!曽野部さんは金賞に輝くことができるのでしょうか?
悲願であった金賞にはあと一歩届きませんでしたが、今までの出場で最高位となる銀賞に輝きました。
 
曽野部さん:「本当に皆さんすごい作品ばかりで、いろいろ勉強になることがたくさんありました。来年も頑張ります!金賞をとれるまで!」
今現在の持てる力を全て出し尽くした曽野部さん。挑戦は来年も続きます。
 
 
(2019年12月12日放送「みんテレ」より)

~【大会1週間前】2019年10月19日~

閉店した店内で、1人黙々と練習に励む料理人がいます。曽野部一十興(そのべかずとよ)さん。今回、日本調理部門で室蘭支部代表として選抜されました。
 
曽野部さん:「大会出場は今回で4回目。もう悔しい思いはしたくないので、なんとか金賞をとりたい」
曽野部さんは19歳の頃から札幌の一流日本料理店で腕を磨き、現在は室蘭で創作居酒屋など5店舗を展開する飲食チェーンの総料理長を務めています。
 
今回、北海道の良さを料理で表現するために1か月以上も前から準備を重ねてきました。でも曽野部さん、なぜ何度も出場しているんですか?
 
曽野部さん:「自分がどこまでできるのかという”挑戦”ですね。この大会は小さいときから父に連れられて見ていたので、僕も大きくなったら必ず出たいと思っていたんです。最初は納得のいくものがうまく作れなくて、すごく悔しくて…。自分を見つめ直す機会になりました」
曽野部さんに出場のきっかけを与えたのは、室蘭で料亭を営む、父・好信(よしのぶ)さん。
 
かつて、人気番組「料理の鉄人」に道内から唯一出演し、現在は北海道日本料理研究会の会長も務めています。
 
父・好信さん:「35年ほど前に出場して、最初は銅賞、そして銀賞をもらい、金賞はあきらめました。息子は時間も気にしないで働く人間です。私が金賞をとれなかった分、とってもらいたいですね」
 
そんなお父さんの意思を継いで挑み続けるコンクールですが、難しい点はどんなところなのでしょうか?
 
曽野部さん:「廃材の処理の仕方とかですね。どんなにきれいに作っていても、散らかっていたり、そういうのも含めてトータルでの審査なので、それがすごく難しいです」
 
他の料理コンクールと決定的に違うのは、50分という時間制限の中、調理中の立ち振る舞いや衛生面への配慮、後片付けに至るまで全てが審査対象になるということ。
 
今回は「一葉落ちて天下の秋を知る」ということわざをテーマに作ります。旬の秋鮭など、道産を生かした作品です。
それでは、本番さながらの練習がスタート!今回、曽野部さんが使うのはこちらの16種類の食材です。同じ材料を使って、その中でどれだけ個性を出せるかが金賞へのカギ。手際の良さと同時に芸術性も求められるという、極限の状態での技術力が問われます。
 
と、その時突然…。
 
曽野部さん:「竹串が3本足りない…」
メイン料理に使う竹串を用意し忘れるという、あってはならないミスが…。本番ではもちろん、時間を止めることは許されません。
さらに、再びトラブルが…!
なんと、火が入らないうちにパスタに触ってしまったため、箸がパスタから離れなくなるトラブルが…。これは手痛い時間ロスです。
 
本番さながらの練習で浮き彫りになった問題点は、パスタを揚げる油の温度の調整と、後片付けをいかに調理と同時に終わらせるか。仕事中も練習のために率先して食器の後片付けを行い、閉店後は夜遅くまで何度もパスタを揚げ、油の温度の調整や入れるタイミングを微調整していきます。
 
本番まで1週間。果たして修正することができたのでしょうか…?

~【調理技能コンクール当日】2019年10月27日~

開始15分前、なんとメイン料理で使うカブが練習で使用していたものよりも小さいという問題が…。サイズの変更を申し入れますが、取り替えてもらうことはできませんでした。
と、ここで…。
 
「競技を開始してください!」
ついに曽野部さんの4度目の挑戦がスタート。曽野部さん以外に日本調理部門にエントリーしているのは、名だたるレストランやホテルなどで腕を振るってきた9人の料理人たち。
調理中は5人の審査員が、それぞれの調理工程を技術面・衛生面で厳密に審査。緊張感が漂う中、曽野部さんは何十回と練習を重ねてきた料理を一つ一つ、素早く丁寧に仕上げていきます。
 
懸念していたカブの小ささも切り込みを入れる幅を調整し、ここまで大きなミスはなし。時間の配分も問題ありません。審査員の厳しい目に曽野部さんの料理はどう映るのか…。
 
~残り時間20分~
 
次に取り掛かったのは、最大の見せ場でもあるパスタの三つ編み。慣れた手さばきで次々と編み込んでいきます…。
~残り時間10分~
 
ここまでは順調に進めてきましたが、なんとまたしても練習中に苦しめられたあのトラブルが!気づかないうちに鍋の火が消えていたため、パスタを揚げるための油が温まっていなかったんです。
 
何度も練習した工程での痛恨のミス。思わず焦りの表情を浮かべる曽野部さんですが、他の作業を優先することに。油の温度が上がるのを待ち、パスタを投入。しかし焦りからか、うまく丸く揚げることができませんでした。
何とか時間内に完成し、提出が済んだのは終了の15秒前!まさに間一髪の提出でしたが、練習での反省を生かし、盛り付け作業の前に調理器具を片付けていたため、何とか時間内に収めることができたんです。
 
曽野部さん:「火加減とか甘いところもありましたし、想定と違ったとかもあったので、本番は難しいですね…。でも、やるだけやったので後は結果待ちです」
 
いよいよ結果発表…!曽野部さんは金賞に輝くことができるのでしょうか?
悲願であった金賞にはあと一歩届きませんでしたが、今までの出場で最高位となる銀賞に輝きました。
 
曽野部さん:「本当に皆さんすごい作品ばかりで、いろいろ勉強になることがたくさんありました。来年も頑張ります!金賞をとれるまで!」
今現在の持てる力を全て出し尽くした曽野部さん。挑戦は来年も続きます。
 
 
(2019年12月12日放送「みんテレ」より)

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