北海道の千歳市が“地価の上昇率"全国No.1"…理由は「ラピダス」

9月19日公表された全国の基準地価。全国で一番、大きく上昇したのはJR千歳駅から徒歩7分ほどの千歳市栄町5丁目の住宅地。

2022年に比べて30．7％も上昇し、一平方メートル当たり9万8000円で、上昇率が全国1位となったんです。
 

千歳市北栄2丁目。飲食店には昼時、次々と客が入っていきます。

こちらの商業地も2022年より30．8％も上昇。1平方メートルあたり10万2000円で北海道内では1位。全国でも2位となりました。

 

2023年の北海道内の地価調査では、千歳市が上位を占めています。
 
全国でも上位にランクインし、住宅地では、1位から3位。さらに8位と10位も。商業地でも2位から4位となりました。

高い上昇率の背景にあるのが、国家プロジェクトとされる次世代半導体工場・ラピダスです。

9月1日には千歳市の工業団地でラピダスの工場の起工式が行われました。

次世代半導体の量産化を目指す国家プロジェクトで、国が3300億円を支援し、建設には最大、4000人を超える作業員が携わり、工場では1000人ほどが働く予定です。

北海道内では過去最大の企業進出とされ、関連産業を含め大きな経済効果が期待されています。これにともなって千歳市内ではすでに住宅需要が高まっているんです。

 

不動産のピース 鈴木 善一 社長によると、 市内の不動産会社ではラピダス進出が決まってからJR千歳駅周辺の共同住宅に次々と関係する会社名義で入居が決まりました。

さらに、マンションも次々と建つ予定でこの会社が手掛けただけで10棟・200室以上が決まり、まさに建設ラッシュとなっているんです。
 

鈴木社長によると「（JR千歳駅の）正面は5倍ぐらいの値段20万円のものが100万円っていう上がり方」なのだそう。

住宅需要の高まりで商業地も値段が高騰し、坪単価がそれまでの5倍で取引されたところもあるんですって。

「今売り時だっていう話はある」「にぎやかになることは、とてもいいことだと思います」「人口が増えるということだから、町としてはいいと思う」と話す千歳市民。

地元では街の活性化や経済が潤うことに期待が高まっていますが…。
 

インフォメーション・システム・キャビン 志田 真郷さんは、
「（全国1位の）熊本もそうですが、まだ半導体工場は稼働してないんですね。本来の経済効果の実態が見える前に、不動産関係者や、地域の人たちが非常に期待をして動き回ってる。バブルっぽい懸念がある。実際に稼働し始めてどういう経済効果があるか、もう少し見極めていく必要がある」と話します。

これから工場の建設が本格化するラピダス。半導体事業が軌道に乗ることが、北海道の地価を本当の意味で高めることに繋がりそうですね。
 
＊みんテレ9月19日OAのものです
（上記の情報は記事作成時点でのものです。
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