2022.7.6

グルメ

地元住民も旅行客も…シェフも通う「すごいスーパー」"旬の野菜の人気っぷり"【札幌】

宮の森の住宅街に佇むレトロなスーパー『フーズバラエティすぎはら』。中でも青果コーナーは、道内外から仕入れた"旬の野菜"が並び、思わず手に取りたくなるような野菜が次々と見つかります…!

シェフも買いに来るほどの"とっておきの野菜たち"は、一体どのようにして仕入れられているのか。今回は、仕入れを担当する社長の杉原俊明さんにお話を伺ってきました。

日本各地の珍しい商品が集まる『フーズバラエティすぎはら』

北海道神宮の近く、宮の森の住宅街にある『フーズバラエティすぎはら』は、昭和19年創業の老舗スーパーです。

他のスーパーでは見ることのないような珍しい商品を取り揃えていて、札幌市や近郊からのお客さんはもちろん、週末には観光客も訪れるそうです。

お店に並ぶ商品は、スタッフのみなさんで必ず試食をしており、美味しいと思ったものだけを仕入れているそうで、お客さんからの信頼も厚いんだとか。
特に青果コーナーは国産野菜にこだわっていて、レストランのシェフが買いに来るほどの人気ぶり。
今回は、野菜の仕入れを担当する社長の杉原俊明さんにお話を伺いました。

※お店についての記事はこちら
https://sasaru.media/article/gourmet/20220705_003/

「すぎはら」に来たらまずはここをチェック

お店に入って一番に目が行くのが、店頭の棚。
普通のスーパーでは、特売品が店頭に並んでいるイメージがありますが、『すぎはら』では"一番食べてもらいたい商品"を置いているそうです

店主の一成さんも「すぎはらにきたら、まずはここをチェックしてほしい」と話します。

取材に伺った6月下旬のラインナップは、ルバーブ、スナップエンドウ、さやえんどう、そら豆、グリーンピース、ケール、パクチー、ルッコラ、バジル、イタリアンパセリなど。
ルバーブやパクチーが入ってすぐの目立つ場所に並んでいるスーパーはなかなかありませんよね。

鮮やかな赤色のルバーブは、空知の農場から届いた特上品。毎年、良い株だけを選抜して残すという作業を繰り返し、何年もかけてこの品質に辿り着いたそうです。

決して安くはない上、なかなか調理する機会もない珍しい野菜なので、普通の人は買いづらいのではないかと思っていたのですが、チャレンジするお客さんも多いのだとか。
隣のスナップエンドウは、生産者の井上さんが「今食べてほしい」と思ったときにだけ送ってくださるため、なかなか店頭には並ばないそうです。

取材中にお買い物に来られていた常連のシェフの方は、入店して数秒でこのスナップエンドウを購入していました。

鮮やかな色味と立派な形に惹かれ、私も買ってみることに。
ポップに書かれていた通り、さっと茹でてマヨネーズでいただきました。

肉厚で食感はシャキシャキ。濃厚な味わいで甘みもあり、今まで食べたスナップエンドウの中で一番美味しかったです…!

どんなに珍しい野菜だとしても、確実に美味しいと分かっているからこそ、お客さんも購入したくなるのでしょう。『すぎはら』の野菜が人気なのも納得です。

お店の奥に進んでいくと…

続いて、2つ目のブロックへ。

「ようやく地物野菜を入れられる季節になりました」と話す俊明さん。

大きくて立派なゴーヤーもなんと北海道産です。北海道にはゴーヤーのイメージがありませんでしたが、北海道も気候が変わってきているので、収穫できる野菜も変わってきているそうです。
国産のにんにくの芽もなかなか入らないという貴重なもの。こちらは札幌市の小別沢で採れたものです。

私が知っているものは少し形が異なっていて、先端につぼみが付いていました。なんとこの部分も食べられるそう。

国産のにんにくの芽は、1年で1か月ほどしか食べられないということで、こちらも実際に購入してみました。
こちらは牛肉と一緒に炒め物に。

ふんわりとニンニクが香り、甘みも感じられました。頭の部分は初めて食べたのですが、この部分は特に香りが強くて美味しかったです。

食感もとってもシャキシャキしていましたよ。
たっぷり150gほど入っていたので、残りはサッと茹でて漬物に。こちらはビールに合う最高のおつまみに仕上がりました!

いままで使用したことのない野菜を使うことで、毎日の食卓にちょっとした変化が出るので、作るのも食べるのも楽しくなります。

道内外から集まる野菜たちの秘密

普通のスーパーではなかなか見かけない珍しいものが並ぶ『すぎはら』の野菜コーナー。

一体どうやって仕入れる野菜を決めているのか伺うと、「生産者さんからの直送」と「中央卸売市場での買い付け」の2パターンがあるとのこと。
まずは、一つめの「生産者さんから直送」。

先ほどのスナップエンドウのように、お付き合いのある農家さんがその時一番美味しいものを届けてくださるそうです。

取材中も取引のある農家さんが「ねぎぼうず」を持ってお店にやってきていました。
また、生産者さんからの営業を経て、お取引が始まることもあるそうです。

「ピーチパイン」は、沖縄・西表島の生産者さんが直接『すぎはら』にいらっしゃったというのだから驚きです。

すべての商品はスタッフ皆で試食をして、仕入れるか否か、どれくらい仕入れるか、いくらで販売するかを決めるのだそう。こちらも実際に食べてとても美味しかったので、仕入れることになったんだとか。
お客さんやお付き合いのある生産者さんの紹介で、商品を仕入れることもあるそうです。

例えばこちらの「ウドベージェ」は、お客さんのお知り合いの方が『すぎはら』を紹介し、仕入れることになりました。

ちなみに、すべての商品につけられているポップには、その商品の試食会のときに発せられた"リアルな声"が書かれていることも多いそう。こちらのポップの"野太い味”という言葉もスタッフの方の感想だそうですよ。
二つめの「中央卸売市場での買い付け」も必要だと俊明さんは話します。野菜や果物にも相場が存在し、その値動きを把握する必要があるため、毎朝市場にも出向いているそうです。

また、農家の方は良いものができたときに送ってくださるそうなのですが、逆を返すと、出来があまり良くなかったときは仕入れられないということ。

国産野菜のみを取り扱う『すぎはら』の商品棚を埋めるためにも、市場から仕入れることも必要なのだそうです。

俊明さんの作る"買わさるポップ"

仕入れた青果の付加価値を伝えることも、俊明さんの大切な仕事の一つ。

多くの生産者さんとやり取りをする多忙な俊明さんは、お客さん一人ひとりに"その野菜のストーリー"を話すことができないため、このポップに想いを託しているそうです。

先ほどのような試食会での感想や生産者さんのこと、食べ方やレシピまで貼ってあるので、見たことのない野菜でも手に取りたくなってしまいます。
そう話しながらも、取材中にお客さんから質問されると丁寧に説明し、商品の前で悩まれている方にもお声がけをしている姿がとても印象的でした。

そんなところが俊明さんや『すぎはら』が愛される理由なのだと思います!

「緊張感を持って来てください!」

俊明さんは、「何を買うか決めて来るのではなく、商品棚を見て買うものを決めてほしい」といいます。

それは、『すぎはら』にはそのとき一番美味しい野菜が並んでいるので、時間や日によって並んでいる野菜が全く違うから。私がこの記事で紹介した野菜も、残念ながら次にいつ出会えるのかわからないものばかりなのです。

だからこそ、お客さんには緊張感を持ってほしいそうです。
初めて『すぎはら』を訪れたとき「こんな珍しい野菜、売れるのかな?」と驚いたのですが、本当に美味しい商品だけを仕入れている『すぎはら』でだからこそ、珍しい野菜でも買いたくなるのだと感じました。

ぜひ皆さんも何を買うかは決めずに『すぎはら』行ってみてはいかがでしょうか。きっと一期一会の出会いを楽しめるはずです…!
フーズバラエティすぎはら
住所:札幌市中央区宮の森1条9丁目3-13
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:日曜日
電話番号:0120-202447
駐車場:あり
HP:https://www.f-sugihara.com/
Facebook:杉原商店
Instagram:@foods_variety_sugihara
(上記の情報は記事作成時点でのものです。価格や最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください)

日本各地の珍しい商品が集まる『フーズバラエティすぎはら』

北海道神宮の近く、宮の森の住宅街にある『フーズバラエティすぎはら』は、昭和19年創業の老舗スーパーです。

他のスーパーでは見ることのないような珍しい商品を取り揃えていて、札幌市や近郊からのお客さんはもちろん、週末には観光客も訪れるそうです。

お店に並ぶ商品は、スタッフのみなさんで必ず試食をしており、美味しいと思ったものだけを仕入れているそうで、お客さんからの信頼も厚いんだとか。
特に青果コーナーは国産野菜にこだわっていて、レストランのシェフが買いに来るほどの人気ぶり。
今回は、野菜の仕入れを担当する社長の杉原俊明さんにお話を伺いました。

※お店についての記事はこちら
https://sasaru.media/article/gourmet/20220705_003/

「すぎはら」に来たらまずはここをチェック

お店に入って一番に目が行くのが、店頭の棚。
普通のスーパーでは、特売品が店頭に並んでいるイメージがありますが、『すぎはら』では"一番食べてもらいたい商品"を置いているそうです

店主の一成さんも「すぎはらにきたら、まずはここをチェックしてほしい」と話します。

取材に伺った6月下旬のラインナップは、ルバーブ、スナップエンドウ、さやえんどう、そら豆、グリーンピース、ケール、パクチー、ルッコラ、バジル、イタリアンパセリなど。
ルバーブやパクチーが入ってすぐの目立つ場所に並んでいるスーパーはなかなかありませんよね。

鮮やかな赤色のルバーブは、空知の農場から届いた特上品。毎年、良い株だけを選抜して残すという作業を繰り返し、何年もかけてこの品質に辿り着いたそうです。

決して安くはない上、なかなか調理する機会もない珍しい野菜なので、普通の人は買いづらいのではないかと思っていたのですが、チャレンジするお客さんも多いのだとか。
隣のスナップエンドウは、生産者の井上さんが「今食べてほしい」と思ったときにだけ送ってくださるため、なかなか店頭には並ばないそうです。

取材中にお買い物に来られていた常連のシェフの方は、入店して数秒でこのスナップエンドウを購入していました。

鮮やかな色味と立派な形に惹かれ、私も買ってみることに。
ポップに書かれていた通り、さっと茹でてマヨネーズでいただきました。

肉厚で食感はシャキシャキ。濃厚な味わいで甘みもあり、今まで食べたスナップエンドウの中で一番美味しかったです…!

どんなに珍しい野菜だとしても、確実に美味しいと分かっているからこそ、お客さんも購入したくなるのでしょう。『すぎはら』の野菜が人気なのも納得です。

お店の奥に進んでいくと…

続いて、2つ目のブロックへ。

「ようやく地物野菜を入れられる季節になりました」と話す俊明さん。

大きくて立派なゴーヤーもなんと北海道産です。北海道にはゴーヤーのイメージがありませんでしたが、北海道も気候が変わってきているので、収穫できる野菜も変わってきているそうです。
国産のにんにくの芽もなかなか入らないという貴重なもの。こちらは札幌市の小別沢で採れたものです。

私が知っているものは少し形が異なっていて、先端につぼみが付いていました。なんとこの部分も食べられるそう。

国産のにんにくの芽は、1年で1か月ほどしか食べられないということで、こちらも実際に購入してみました。
こちらは牛肉と一緒に炒め物に。

ふんわりとニンニクが香り、甘みも感じられました。頭の部分は初めて食べたのですが、この部分は特に香りが強くて美味しかったです。

食感もとってもシャキシャキしていましたよ。
たっぷり150gほど入っていたので、残りはサッと茹でて漬物に。こちらはビールに合う最高のおつまみに仕上がりました!

いままで使用したことのない野菜を使うことで、毎日の食卓にちょっとした変化が出るので、作るのも食べるのも楽しくなります。

道内外から集まる野菜たちの秘密

普通のスーパーではなかなか見かけない珍しいものが並ぶ『すぎはら』の野菜コーナー。

一体どうやって仕入れる野菜を決めているのか伺うと、「生産者さんからの直送」と「中央卸売市場での買い付け」の2パターンがあるとのこと。
まずは、一つめの「生産者さんから直送」。

先ほどのスナップエンドウのように、お付き合いのある農家さんがその時一番美味しいものを届けてくださるそうです。

取材中も取引のある農家さんが「ねぎぼうず」を持ってお店にやってきていました。
また、生産者さんからの営業を経て、お取引が始まることもあるそうです。

「ピーチパイン」は、沖縄・西表島の生産者さんが直接『すぎはら』にいらっしゃったというのだから驚きです。

すべての商品はスタッフ皆で試食をして、仕入れるか否か、どれくらい仕入れるか、いくらで販売するかを決めるのだそう。こちらも実際に食べてとても美味しかったので、仕入れることになったんだとか。
お客さんやお付き合いのある生産者さんの紹介で、商品を仕入れることもあるそうです。

例えばこちらの「ウドベージェ」は、お客さんのお知り合いの方が『すぎはら』を紹介し、仕入れることになりました。

ちなみに、すべての商品につけられているポップには、その商品の試食会のときに発せられた"リアルな声"が書かれていることも多いそう。こちらのポップの"野太い味”という言葉もスタッフの方の感想だそうですよ。
二つめの「中央卸売市場での買い付け」も必要だと俊明さんは話します。野菜や果物にも相場が存在し、その値動きを把握する必要があるため、毎朝市場にも出向いているそうです。

また、農家の方は良いものができたときに送ってくださるそうなのですが、逆を返すと、出来があまり良くなかったときは仕入れられないということ。

国産野菜のみを取り扱う『すぎはら』の商品棚を埋めるためにも、市場から仕入れることも必要なのだそうです。

俊明さんの作る"買わさるポップ"

仕入れた青果の付加価値を伝えることも、俊明さんの大切な仕事の一つ。

多くの生産者さんとやり取りをする多忙な俊明さんは、お客さん一人ひとりに"その野菜のストーリー"を話すことができないため、このポップに想いを託しているそうです。

先ほどのような試食会での感想や生産者さんのこと、食べ方やレシピまで貼ってあるので、見たことのない野菜でも手に取りたくなってしまいます。
そう話しながらも、取材中にお客さんから質問されると丁寧に説明し、商品の前で悩まれている方にもお声がけをしている姿がとても印象的でした。

そんなところが俊明さんや『すぎはら』が愛される理由なのだと思います!

「緊張感を持って来てください!」

俊明さんは、「何を買うか決めて来るのではなく、商品棚を見て買うものを決めてほしい」といいます。

それは、『すぎはら』にはそのとき一番美味しい野菜が並んでいるので、時間や日によって並んでいる野菜が全く違うから。私がこの記事で紹介した野菜も、残念ながら次にいつ出会えるのかわからないものばかりなのです。

だからこそ、お客さんには緊張感を持ってほしいそうです。
初めて『すぎはら』を訪れたとき「こんな珍しい野菜、売れるのかな?」と驚いたのですが、本当に美味しい商品だけを仕入れている『すぎはら』でだからこそ、珍しい野菜でも買いたくなるのだと感じました。

ぜひ皆さんも何を買うかは決めずに『すぎはら』行ってみてはいかがでしょうか。きっと一期一会の出会いを楽しめるはずです…!
フーズバラエティすぎはら
住所:札幌市中央区宮の森1条9丁目3-13
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:日曜日
電話番号:0120-202447
駐車場:あり
HP:https://www.f-sugihara.com/
Facebook:杉原商店
Instagram:@foods_variety_sugihara
(上記の情報は記事作成時点でのものです。価格や最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください)

向坂沙紀

ライター

東京生まれの東京育ち。夫の転勤を機に札幌へ。 休日はラーメン屋さんをはしごし、カフェで締めるのが定番コース。 札幌だけでなく、道内各所に出かけて、フードファイトをしています。SASARUでは、道外出身者ならではの視点で、北海道の魅力をお伝えしていきたいです。

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