去年7月、札幌中央区の狸小路に開業した『AOAO SAPPORO』。
街の真ん中で魚やペンギンなどの生き物の不思議を体感しながら、スイーツやお酒も楽しめる都市型の水族館です。
「みんテレ」では、真夜中の『AOAO SAPPORO』で働く"水景クリエイター"に密着しました。
水景クリエイターの仕事とは?
深夜0時30分、静まり返った館内に毎晩やってくる人たちがいます。
彼らは水槽を美しく保つプロフェッショナル。
伸びすぎた水草をカットしたり、絡み合わないようにしたり、ガラスに付くコケをそぎ落とすといった作業をしています。
彼らは水槽を美しく保つプロフェッショナル。
伸びすぎた水草をカットしたり、絡み合わないようにしたり、ガラスに付くコケをそぎ落とすといった作業をしています。
『AOAO SAPPORO』の室井直陽さんは、水が濁ってしまう作業が多いため、夜間にしかできない仕事だといいます。
一口に水槽といってもここは特別。
「ネイチャーアクアリウムという作品」と話すのは、ネイチャーアクアリウム専門の会社『アクアデザインアマノ』の水景クリエイター・本間裕介さん。
ただ水草を植えてるだけではなく、自然のなかと同じような循環・環境を再現しているといいます。
「ネイチャーアクアリウムという作品」と話すのは、ネイチャーアクアリウム専門の会社『アクアデザインアマノ』の水景クリエイター・本間裕介さん。
ただ水草を植えてるだけではなく、自然のなかと同じような循環・環境を再現しているといいます。
本間さんが手がけた「風薫る石景」は、幅7メートル、深さ1.4メートルの世界最大規模のネイチャーアクアリウム。
突き通った水にそよぐ髪の毛のような水草と大きな石が作り上げる風景。
その中を熱帯魚が軽やかに泳ぎます。
突き通った水にそよぐ髪の毛のような水草と大きな石が作り上げる風景。
その中を熱帯魚が軽やかに泳ぎます。
本間さんによると、一番のポイントは下からゆっくりとあがる酸素の気泡。
水草が光合成をして出す酸素の気泡だといいます。
水草が光合成をして出す酸素の気泡だといいます。
ネイチャーアクアリウムは、植物や魚などが支え合って生きる"小さな生態系"。
そんな水槽が『AOAO SAPPORO』には4つあります。
そんな水槽が『AOAO SAPPORO』には4つあります。
大がかりなメンテナンスを実施
今年2月、4つの水槽のうち2つが完成以来初の大がかりなメンテナンスをすることになりました。
「風薫る石景」もその1つです。
「風薫る石景」もその1つです。
「『さっぽろ雪まつり』に合わせ見ごろを設定していたため、これからの春に向けて大きな作業を始める」と本間さん。
オーストラリアなどが原産のグロッソスティグマは、水の底で光合成をすることで水槽の環境を整える大事な働きをしています。
今回のメンテナンスでは、びっしりと覆うこの下草を全て植え替えるというのです。
オーストラリアなどが原産のグロッソスティグマは、水の底で光合成をすることで水槽の環境を整える大事な働きをしています。
今回のメンテナンスでは、びっしりと覆うこの下草を全て植え替えるというのです。
「最初は横に広がっていくが、次は上に伸びていく」と本間さん。
丈が高くなると下の方の水通りが悪くなり、コケが出てしまうそうです。
丈が高くなると下の方の水通りが悪くなり、コケが出てしまうそうです。
2月11日午後10時。
スタッフが集まり、メンテナンス作業の確認をします。
話し合いの結果、下草をはじめ水草の多くを植え直すことになりました。
スタッフが集まり、メンテナンス作業の確認をします。
話し合いの結果、下草をはじめ水草の多くを植え直すことになりました。
作業が始まったのは午後11時。
水槽の上から手を伸ばし、長いピンセットで少しずつ水草を抜きます。
ペットボトルを再利用した吸引装置で水中に舞い上がった土ぼこりなどを吸い込み、水を汚さないように抜き取っていきます。
水槽の上から手を伸ばし、長いピンセットで少しずつ水草を抜きます。
ペットボトルを再利用した吸引装置で水中に舞い上がった土ぼこりなどを吸い込み、水を汚さないように抜き取っていきます。
作業のタイムリミットは午前8時。
水景クリエイターの内田成さんは、「午前中にはお客さまがいらっしゃることを考えると、濁らせすぎてしまうと水が濁ったまま開館になってしまう」と話します。
水景クリエイターの内田成さんは、「午前中にはお客さまがいらっしゃることを考えると、濁らせすぎてしまうと水が濁ったまま開館になってしまう」と話します。
午前1時、水草を抜く作業と並行し、水槽の前では気の遠くなるような作業が行われていました。
行われていたのは、水草を「よる」作業です。
行われていたのは、水草を「よる」作業です。
指先ほどの小さな苗は、ピンセットを使って1本ずつ水中の土に植えていくんだそう。
「大きいサイズで植えてしまうと『自然感』がなくなってしまう」と本間さん。
果てしない作業が待ち構えています。
「大きいサイズで植えてしまうと『自然感』がなくなってしまう」と本間さん。
果てしない作業が待ち構えています。
午前3時、ようやく全体の1/3の水草を抜き取りました。
しかし、午前10時の開館までに植え直しを終えなければなりません。
やむなく、残りの2/3は持ち越すことに決めました。
しかし、午前10時の開館までに植え直しを終えなければなりません。
やむなく、残りの2/3は持ち越すことに決めました。
慎重な作業が続く中、水槽の右半分では魚たちが眠りにつきました。
水草が抜かれた後、新しい苗が1つ1つ植え込まれていきます。
1/3の植え替えが終わったのは、タイムリミットの午前8時でした。
1/3の植え替えが終わったのは、タイムリミットの午前8時でした。
しかし、入館者に美しい水槽を見てもらうため完璧を目指します。
作業は開館1時間前の午前9時まで続きました。
作業は開館1時間前の午前9時まで続きました。
「人工的に作ってはいるけれど、なるべく自然な環境に見せる」と本間さん。
その感覚は自然の中から学び、表現しているといいます。
その感覚は自然の中から学び、表現しているといいます。
メンテナンスから1か月…
あれから1か月。
水槽の底で生き物を支える小さな水草は、びっしり水の底を覆うまでに育っていました。
水槽の底で生き物を支える小さな水草は、びっしり水の底を覆うまでに育っていました。
夜、水槽のそばに備え付けられた椅子で足を伸ばしてリラックスしている女性がいました。
1週間に2回は訪れるといいます。
「ここに来ればいつでもきれいな状態で見られるので、自分のリビングが1つ増えたような気がする」と話してくれました。
1週間に2回は訪れるといいます。
「ここに来ればいつでもきれいな状態で見られるので、自分のリビングが1つ増えたような気がする」と話してくれました。
高層ビルの中に作られた小さな大自然。
自然の美しさを求めるプロフェッショナルの仕事は、今夜も続きます。
*みんテレ3月25日OAのものです
自然の美しさを求めるプロフェッショナルの仕事は、今夜も続きます。
*みんテレ3月25日OAのものです
水景クリエイターの仕事とは?
深夜0時30分、静まり返った館内に毎晩やってくる人たちがいます。
彼らは水槽を美しく保つプロフェッショナル。
伸びすぎた水草をカットしたり、絡み合わないようにしたり、ガラスに付くコケをそぎ落とすといった作業をしています。
彼らは水槽を美しく保つプロフェッショナル。
伸びすぎた水草をカットしたり、絡み合わないようにしたり、ガラスに付くコケをそぎ落とすといった作業をしています。
『AOAO SAPPORO』の室井直陽さんは、水が濁ってしまう作業が多いため、夜間にしかできない仕事だといいます。
一口に水槽といってもここは特別。
「ネイチャーアクアリウムという作品」と話すのは、ネイチャーアクアリウム専門の会社『アクアデザインアマノ』の水景クリエイター・本間裕介さん。
ただ水草を植えてるだけではなく、自然のなかと同じような循環・環境を再現しているといいます。
「ネイチャーアクアリウムという作品」と話すのは、ネイチャーアクアリウム専門の会社『アクアデザインアマノ』の水景クリエイター・本間裕介さん。
ただ水草を植えてるだけではなく、自然のなかと同じような循環・環境を再現しているといいます。
本間さんが手がけた「風薫る石景」は、幅7メートル、深さ1.4メートルの世界最大規模のネイチャーアクアリウム。
突き通った水にそよぐ髪の毛のような水草と大きな石が作り上げる風景。
その中を熱帯魚が軽やかに泳ぎます。
突き通った水にそよぐ髪の毛のような水草と大きな石が作り上げる風景。
その中を熱帯魚が軽やかに泳ぎます。
本間さんによると、一番のポイントは下からゆっくりとあがる酸素の気泡。
水草が光合成をして出す酸素の気泡だといいます。
水草が光合成をして出す酸素の気泡だといいます。
ネイチャーアクアリウムは、植物や魚などが支え合って生きる"小さな生態系"。
そんな水槽が『AOAO SAPPORO』には4つあります。
そんな水槽が『AOAO SAPPORO』には4つあります。
大がかりなメンテナンスを実施
今年2月、4つの水槽のうち2つが完成以来初の大がかりなメンテナンスをすることになりました。
「風薫る石景」もその1つです。
「風薫る石景」もその1つです。
「『さっぽろ雪まつり』に合わせ見ごろを設定していたため、これからの春に向けて大きな作業を始める」と本間さん。
オーストラリアなどが原産のグロッソスティグマは、水の底で光合成をすることで水槽の環境を整える大事な働きをしています。
今回のメンテナンスでは、びっしりと覆うこの下草を全て植え替えるというのです。
オーストラリアなどが原産のグロッソスティグマは、水の底で光合成をすることで水槽の環境を整える大事な働きをしています。
今回のメンテナンスでは、びっしりと覆うこの下草を全て植え替えるというのです。
「最初は横に広がっていくが、次は上に伸びていく」と本間さん。
丈が高くなると下の方の水通りが悪くなり、コケが出てしまうそうです。
丈が高くなると下の方の水通りが悪くなり、コケが出てしまうそうです。
2月11日午後10時。
スタッフが集まり、メンテナンス作業の確認をします。
話し合いの結果、下草をはじめ水草の多くを植え直すことになりました。
スタッフが集まり、メンテナンス作業の確認をします。
話し合いの結果、下草をはじめ水草の多くを植え直すことになりました。
作業が始まったのは午後11時。
水槽の上から手を伸ばし、長いピンセットで少しずつ水草を抜きます。
ペットボトルを再利用した吸引装置で水中に舞い上がった土ぼこりなどを吸い込み、水を汚さないように抜き取っていきます。
水槽の上から手を伸ばし、長いピンセットで少しずつ水草を抜きます。
ペットボトルを再利用した吸引装置で水中に舞い上がった土ぼこりなどを吸い込み、水を汚さないように抜き取っていきます。
作業のタイムリミットは午前8時。
水景クリエイターの内田成さんは、「午前中にはお客さまがいらっしゃることを考えると、濁らせすぎてしまうと水が濁ったまま開館になってしまう」と話します。
水景クリエイターの内田成さんは、「午前中にはお客さまがいらっしゃることを考えると、濁らせすぎてしまうと水が濁ったまま開館になってしまう」と話します。
午前1時、水草を抜く作業と並行し、水槽の前では気の遠くなるような作業が行われていました。
行われていたのは、水草を「よる」作業です。
行われていたのは、水草を「よる」作業です。
指先ほどの小さな苗は、ピンセットを使って1本ずつ水中の土に植えていくんだそう。
「大きいサイズで植えてしまうと『自然感』がなくなってしまう」と本間さん。
果てしない作業が待ち構えています。
「大きいサイズで植えてしまうと『自然感』がなくなってしまう」と本間さん。
果てしない作業が待ち構えています。
午前3時、ようやく全体の1/3の水草を抜き取りました。
しかし、午前10時の開館までに植え直しを終えなければなりません。
やむなく、残りの2/3は持ち越すことに決めました。
しかし、午前10時の開館までに植え直しを終えなければなりません。
やむなく、残りの2/3は持ち越すことに決めました。
慎重な作業が続く中、水槽の右半分では魚たちが眠りにつきました。
水草が抜かれた後、新しい苗が1つ1つ植え込まれていきます。
1/3の植え替えが終わったのは、タイムリミットの午前8時でした。
1/3の植え替えが終わったのは、タイムリミットの午前8時でした。
しかし、入館者に美しい水槽を見てもらうため完璧を目指します。
作業は開館1時間前の午前9時まで続きました。
作業は開館1時間前の午前9時まで続きました。
「人工的に作ってはいるけれど、なるべく自然な環境に見せる」と本間さん。
その感覚は自然の中から学び、表現しているといいます。
その感覚は自然の中から学び、表現しているといいます。
メンテナンスから1か月…
あれから1か月。
水槽の底で生き物を支える小さな水草は、びっしり水の底を覆うまでに育っていました。
水槽の底で生き物を支える小さな水草は、びっしり水の底を覆うまでに育っていました。
夜、水槽のそばに備え付けられた椅子で足を伸ばしてリラックスしている女性がいました。
1週間に2回は訪れるといいます。
「ここに来ればいつでもきれいな状態で見られるので、自分のリビングが1つ増えたような気がする」と話してくれました。
1週間に2回は訪れるといいます。
「ここに来ればいつでもきれいな状態で見られるので、自分のリビングが1つ増えたような気がする」と話してくれました。
高層ビルの中に作られた小さな大自然。
自然の美しさを求めるプロフェッショナルの仕事は、今夜も続きます。
*みんテレ3月25日OAのものです
自然の美しさを求めるプロフェッショナルの仕事は、今夜も続きます。
*みんテレ3月25日OAのものです
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