2023.10.4

おでかけ / 札幌

琥珀は「天然のタイムカプセル」!…北大総合博物館で"昆虫化石"の市民セミナー開催【札幌】


同セミナーのチラシ

北海道大学総合博物館で、10月7日(土)に土曜市民セミナー『 天然のカプセル 琥珀に眠る昆虫化石について』が開催されます。
同セミナーでは、博物館資料部所属の山本周平さんがご自身の昆虫研究について、「琥珀(こはく)の中の昆虫化石」という切り口で紹介します。

 

琥珀の特異性

琥珀は植物の樹脂が長い時間を経て化石化することでできる宝石の一つです。そのため、琥珀は他の多くの宝石とは異なり、真珠などと同様に生物が由来となっている、変わった宝石です。

さらに琥珀ができる過程で、ごくたまに太古の動植物が琥珀の中に取り込まれてしまうことがあります。
琥珀は他の岩石中の化石と異なり、樹脂由来のため、その中に取り込まれた生物の多くは3次元的に保存されていて、さらに微小な形態まで観察できる場合があります。

太古の生き物を知る重要なキーとなりうるので、山本さんは「琥珀は天然のカプセルだ」といいます。

チビシデムシを含む琥珀

実際に見られる琥珀の昆虫標本


ムカデとハネカクシを含む琥珀

同講座の直前事前取材に当たって、筆者は、特別にチビシデムシを含む琥珀やムカデとハネカクシが共に含む封入された琥珀(ともにバルト海沿岸産)、カッコウムシを含む琥珀(ミャンマー産)などを実際に見せてもらえました。
ムカデ以外はいずれもコカブトムシと同じ甲虫の仲間です。当日の講座でも実物の琥珀が回覧される予定です。

特にハネカクシ入りの琥珀は飴色に輝いていて、実際に持ってみるとかなり大きなサイズでした。さらに複数種の虫が生きていた時に近い状態で閉じ込められており、かなりインパ クトがあります。

琥珀の中の虫に興味を持ったきっかけは?

山本さんは琥珀の昆虫標本の研究を大学院生の頃から開始し、始めた理由について「ロマンがあり、しかも自前の技術を使わずにできるから」と話します。
またもともと鉱物・化石収集を趣味としていたこともあり、プラスチックなどでできた偽物の琥珀との区別もでき、その知識も研究に生きているといいます。

「新種が琥珀中にトラップされていることも多く、今までに新属(注)や数十種類の新種を発見してきました」。

(注)属 生物の分類上の基本的階級で、科の下と種の上に位置づけられる。

琥珀一つ一つに、昆虫名、産地、コレクション名などが書かれている

今回の講座のおすすめポイント


カッコウムシを含む琥珀

同講座は土曜市民講座ということもあり、写真や実物を用いて、難しいことに踏み込まず、初心者にも分かりやすく解説していただけるそうです。
山本さんは「研究の集大成で圧倒的なスケールでやりたい。ウォーリーを探せ! みたいに、琥珀の中の虫たちを楽しみながら探してもらえれば」と意気込みを語りました。

北大土曜市民セミナー「天然のタイムカプセル 琥珀に眠る太古の昆虫化石について」 
日時:10月7日(土)午後1時~午後3時(午後1時頃入場開始)
会場: 札幌市北区北10条西8丁目 北海道大学総合博物館1階ホール「知の交流」
講師:山本周平(北海道大学総合博物館)
その他:入場無料・当日先着・座席数50席
 

琥珀の特異性


チビシデムシを含む琥珀

琥珀は植物の樹脂が長い時間を経て化石化することでできる宝石の一つです。そのため、琥珀は他の多くの宝石とは異なり、真珠などと同様に生物が由来となっている、変わった宝石です。

さらに琥珀ができる過程で、ごくたまに太古の動植物が琥珀の中に取り込まれてしまうことがあります。
琥珀は他の岩石中の化石と異なり、樹脂由来のため、その中に取り込まれた生物の多くは3次元的に保存されていて、さらに微小な形態まで観察できる場合があります。

太古の生き物を知る重要なキーとなりうるので、山本さんは「琥珀は天然のカプセルだ」といいます。

実際に見られる琥珀の昆虫標本


ムカデとハネカクシを含む琥珀

同講座の直前事前取材に当たって、筆者は、特別にチビシデムシを含む琥珀やムカデとハネカクシが共に含む封入された琥珀(ともにバルト海沿岸産)、カッコウムシを含む琥珀(ミャンマー産)などを実際に見せてもらえました。
ムカデ以外はいずれもコカブトムシと同じ甲虫の仲間です。当日の講座でも実物の琥珀が回覧される予定です。

特にハネカクシ入りの琥珀は飴色に輝いていて、実際に持ってみるとかなり大きなサイズでした。さらに複数種の虫が生きていた時に近い状態で閉じ込められており、かなりインパ クトがあります。

琥珀の中の虫に興味を持ったきっかけは?


琥珀一つ一つに、昆虫名、産地、コレクション名などが書かれている

山本さんは琥珀の昆虫標本の研究を大学院生の頃から開始し、始めた理由について「ロマンがあり、しかも自前の技術を使わずにできるから」と話します。
またもともと鉱物・化石収集を趣味としていたこともあり、プラスチックなどでできた偽物の琥珀との区別もでき、その知識も研究に生きているといいます。

「新種が琥珀中にトラップされていることも多く、今までに新属(注)や数十種類の新種を発見してきました」。

(注)属 生物の分類上の基本的階級で、科の下と種の上に位置づけられる。

今回の講座のおすすめポイント


カッコウムシを含む琥珀

同講座は土曜市民講座ということもあり、写真や実物を用いて、難しいことに踏み込まず、初心者にも分かりやすく解説していただけるそうです。
山本さんは「研究の集大成で圧倒的なスケールでやりたい。ウォーリーを探せ! みたいに、琥珀の中の虫たちを楽しみながら探してもらえれば」と意気込みを語りました。

北大土曜市民セミナー「天然のタイムカプセル 琥珀に眠る太古の昆虫化石について」 
日時:10月7日(土)午後1時~午後3時(午後1時頃入場開始)
会場: 札幌市北区北10条西8丁目 北海道大学総合博物館1階ホール「知の交流」
講師:山本周平(北海道大学総合博物館)
その他:入場無料・当日先着・座席数50席
 

野中直樹

学生ライター

数学を学ぶ北大生。グルメやグッズ、研究など北大のニュースならどんな話題でも取材します。

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