最近、話題になっているオーロラ。中山智博さん(北海道大学大学院環境科学院修士1年)も道内で見られる低緯度オーロラを追う天文ファンの1人です。道内各地で精力的に観測する中山さんに迫ってみました。
オーロラとは?日本でも見られるかも
オーロラとは?
オーロラとは、地球の大気中に含まれている窒素や酸素に、太陽から吹き出した高エネルギーのプラズマが衝突し発光する現象。観察しやすいのは主に、日本より高緯度のオーロラ帯と呼ばれる領域に含まれる場所だと言われています。
そんなオーロラですが、実は日本でもタイミングが合えば、観察に成功した事例もあります。驚くことに2024年は、5月と10月に日本の広範囲で観測されました。
そんな低緯度オーロラの観測に取り組むのが、北大院生の中山智博さんです。道内各地を巡り、精力的に観測に取り組んでいます。
そんなオーロラですが、実は日本でもタイミングが合えば、観察に成功した事例もあります。驚くことに2024年は、5月と10月に日本の広範囲で観測されました。
そんな低緯度オーロラの観測に取り組むのが、北大院生の中山智博さんです。道内各地を巡り、精力的に観測に取り組んでいます。
「オーロラ見えるかも」期待を膨らませて北海道大学に入学
オーロラに魅せられている中山さん。興味を持ったタイミングは、いつだったのでしょうか。
「小さいころに日本でもオーロラが見えたことがあることを、図鑑を見て知りました。またオーロラの写真が載っている天体写真集を良く眺めていたことが、オーロラに興味を持ったきっかけです」
高校時代は沖縄県に住んでいましたが、大学は極地研究が盛んな北大に進学。初めてオーロラ観測を始めたのは、学部2年生のとき。2021年11月、大きめの磁気嵐が発生し、「北海道でもオーロラが見えるかも」と考えましたが 、残念ながら観測は失敗してしまいました。
しかし、オーロラに対する思いは健在でした。
「これから太陽活動が極大期に入っていくので、北大にいるうちに絶対に北海道でオーロラを見たい」
強い思いを胸に、何度もオーロラ観測に出かけました。
「小さいころに日本でもオーロラが見えたことがあることを、図鑑を見て知りました。またオーロラの写真が載っている天体写真集を良く眺めていたことが、オーロラに興味を持ったきっかけです」
高校時代は沖縄県に住んでいましたが、大学は極地研究が盛んな北大に進学。初めてオーロラ観測を始めたのは、学部2年生のとき。2021年11月、大きめの磁気嵐が発生し、「北海道でもオーロラが見えるかも」と考えましたが 、残念ながら観測は失敗してしまいました。
しかし、オーロラに対する思いは健在でした。
「これから太陽活動が極大期に入っていくので、北大にいるうちに絶対に北海道でオーロラを見たい」
強い思いを胸に、何度もオーロラ観測に出かけました。
中山さん(撮影:渡邉嵩都 Xアカウントの@nabeshi_tterより引用)
ようやく手にした成功!肉眼でもオーロラを見ることができた
鹿追町のオーロラ(提供:中山さん)
観測のため、時間をみつけ、道内各地を巡った中山さん。失敗を何度も重ねました。
そんな中で、つかんだ一筋の希望。2023年12月1日、北海道十勝の鹿追町で初めて肉眼で低緯度オーロラの観測に成功しました。
「初めて肉眼で鈍い赤紫色に光るオーロラが、北の空の低空で動いている様子を見ることができ、言葉では言い表せないくらいに感動しました」
この鹿追町での観測には北大天文同好会のメンバーも同行していました。「この素晴らしい感動をみんなで共有できたのが、とてもうれしかったのです」。
そんな中で、つかんだ一筋の希望。2023年12月1日、北海道十勝の鹿追町で初めて肉眼で低緯度オーロラの観測に成功しました。
「初めて肉眼で鈍い赤紫色に光るオーロラが、北の空の低空で動いている様子を見ることができ、言葉では言い表せないくらいに感動しました」
この鹿追町での観測には北大天文同好会のメンバーも同行していました。「この素晴らしい感動をみんなで共有できたのが、とてもうれしかったのです」。
2024年に入ってからも観測は継続。順調に成功を重ねました。
2024年8月12・13日に北海道遠軽町で行った観測でも、肉眼でオーロラを確認できました。さらに、もう一つ奇跡が起きました。なんとこの日はペルセウス座流星群の極大日だったのです。
オーロラと流れ星の共演。その時の光景は想像を絶するものでした。
「ぼんやりと赤く光る北の空の中で、明るい複数の柱状の白い光がゆっくり移動する様子を見ることができました。そして、その中にいくつもの流星が飛び込んでいくという、この世のものとは思えない空を眺めることができました」
2024年8月12・13日に北海道遠軽町で行った観測でも、肉眼でオーロラを確認できました。さらに、もう一つ奇跡が起きました。なんとこの日はペルセウス座流星群の極大日だったのです。
オーロラと流れ星の共演。その時の光景は想像を絶するものでした。
「ぼんやりと赤く光る北の空の中で、明るい複数の柱状の白い光がゆっくり移動する様子を見ることができました。そして、その中にいくつもの流星が飛び込んでいくという、この世のものとは思えない空を眺めることができました」
遠軽町のオーロラ(提供:中山さん)
オーロラがつないだ出会い 趣味が研究テーマに
余市町のオーロラ(提供:中山さん)
2024年6月28日に観測に成功したオーロラは、中山さんにとって印象深いものでした。
「今までの観測では失敗するような規模の磁気嵐だった」
しかし、観測の成否は、実際に行ってみないと分かりません。「このあまり強くない磁気嵐で低緯度オーロラが見られたらすごい発見になるんじゃないか」。淡い思いを胸にしつつ、深夜ドライブをする感覚で近場の余市町まで出かけました。
観測地についてカメラを北の空に向けてみると、びっくり。低空が真っ赤に染まっていたと言います。
「低緯度オーロラだと確信しました。肉眼では見られませんでしたが、新たな発見ができたのではないかとワクワクを得ることができました」
「今までの観測では失敗するような規模の磁気嵐だった」
しかし、観測の成否は、実際に行ってみないと分かりません。「このあまり強くない磁気嵐で低緯度オーロラが見られたらすごい発見になるんじゃないか」。淡い思いを胸にしつつ、深夜ドライブをする感覚で近場の余市町まで出かけました。
観測地についてカメラを北の空に向けてみると、びっくり。低空が真っ赤に染まっていたと言います。
「低緯度オーロラだと確信しました。肉眼では見られませんでしたが、新たな発見ができたのではないかとワクワクを得ることができました」
そして、この不思議なオーロラの出現について、研究者も興味を持ったようです。Xを通じて、国立極地研究所の片岡龍峰准教授からオーロラの研究のお誘いを受け、共同研究を開始しました。「3年間継続的にオーロラの観測に挑戦してきたことで、新しい興味や関心が芽生え、この共同研究のきっかけになりました」。
大学院での氷河の研究に加え、オーロラの研究も開始
中山さん直伝「オーロラを撮影するコツ」
中山さんはオーロラ観測を通し、数多くのオーロラ写真を撮影しています。きれいに撮影する方法を教えてもらいました。
初心者向けはスマホを使った撮影です。カメラアプリの「星撮りカメラくん」やiPhoneのカメラのナイトモードを使用し、三脚などでスマホを固定するとぶれずにきれいに撮影できます。
また、本格的なカメラを持っている中・上級者向けの撮影方法も教えてもらいました。広角レンズで、絞り開放でISOは6400くらいまで、シャッター速度は10~15秒程度にすることでオーロラの柱状を構造しっかり写すことができると言います。
現在は太陽活動極大期なので、オーロラを見られるチャンスはたくさんあります。みなさんもぜひオーロラの観測にチャレンジしてみてください。
初心者向けはスマホを使った撮影です。カメラアプリの「星撮りカメラくん」やiPhoneのカメラのナイトモードを使用し、三脚などでスマホを固定するとぶれずにきれいに撮影できます。
また、本格的なカメラを持っている中・上級者向けの撮影方法も教えてもらいました。広角レンズで、絞り開放でISOは6400くらいまで、シャッター速度は10~15秒程度にすることでオーロラの柱状を構造しっかり写すことができると言います。
現在は太陽活動極大期なので、オーロラを見られるチャンスはたくさんあります。みなさんもぜひオーロラの観測にチャレンジしてみてください。
オーロラとは?日本でも見られるかも
オーロラとは?
オーロラとは、地球の大気中に含まれている窒素や酸素に、太陽から吹き出した高エネルギーのプラズマが衝突し発光する現象。観察しやすいのは主に、日本より高緯度のオーロラ帯と呼ばれる領域に含まれる場所だと言われています。
そんなオーロラですが、実は日本でもタイミングが合えば、観察に成功した事例もあります。驚くことに2024年は、5月と10月に日本の広範囲で観測されました。
そんな低緯度オーロラの観測に取り組むのが、北大院生の中山智博さんです。道内各地を巡り、精力的に観測に取り組んでいます。
そんなオーロラですが、実は日本でもタイミングが合えば、観察に成功した事例もあります。驚くことに2024年は、5月と10月に日本の広範囲で観測されました。
そんな低緯度オーロラの観測に取り組むのが、北大院生の中山智博さんです。道内各地を巡り、精力的に観測に取り組んでいます。
「オーロラ見えるかも」期待を膨らませて北海道大学に入学
中山さん(撮影:渡邉嵩都 Xアカウントの@nabeshi_tterより引用)
オーロラに魅せられている中山さん。興味を持ったタイミングは、いつだったのでしょうか。
「小さいころに日本でもオーロラが見えたことがあることを、図鑑を見て知りました。またオーロラの写真が載っている天体写真集を良く眺めていたことが、オーロラに興味を持ったきっかけです」
高校時代は沖縄県に住んでいましたが、大学は極地研究が盛んな北大に進学。初めてオーロラ観測を始めたのは、学部2年生のとき。2021年11月、大きめの磁気嵐が発生し、「北海道でもオーロラが見えるかも」と考えましたが 、残念ながら観測は失敗してしまいました。
しかし、オーロラに対する思いは健在でした。
「これから太陽活動が極大期に入っていくので、北大にいるうちに絶対に北海道でオーロラを見たい」
強い思いを胸に、何度もオーロラ観測に出かけました。
「小さいころに日本でもオーロラが見えたことがあることを、図鑑を見て知りました。またオーロラの写真が載っている天体写真集を良く眺めていたことが、オーロラに興味を持ったきっかけです」
高校時代は沖縄県に住んでいましたが、大学は極地研究が盛んな北大に進学。初めてオーロラ観測を始めたのは、学部2年生のとき。2021年11月、大きめの磁気嵐が発生し、「北海道でもオーロラが見えるかも」と考えましたが 、残念ながら観測は失敗してしまいました。
しかし、オーロラに対する思いは健在でした。
「これから太陽活動が極大期に入っていくので、北大にいるうちに絶対に北海道でオーロラを見たい」
強い思いを胸に、何度もオーロラ観測に出かけました。
ようやく手にした成功!肉眼でもオーロラを見ることができた
鹿追町のオーロラ(提供:中山さん)
観測のため、時間をみつけ、道内各地を巡った中山さん。失敗を何度も重ねました。
そんな中で、つかんだ一筋の希望。2023年12月1日、北海道十勝の鹿追町で初めて肉眼で低緯度オーロラの観測に成功しました。
「初めて肉眼で鈍い赤紫色に光るオーロラが、北の空の低空で動いている様子を見ることができ、言葉では言い表せないくらいに感動しました」
この鹿追町での観測には北大天文同好会のメンバーも同行していました。「この素晴らしい感動をみんなで共有できたのが、とてもうれしかったのです」。
そんな中で、つかんだ一筋の希望。2023年12月1日、北海道十勝の鹿追町で初めて肉眼で低緯度オーロラの観測に成功しました。
「初めて肉眼で鈍い赤紫色に光るオーロラが、北の空の低空で動いている様子を見ることができ、言葉では言い表せないくらいに感動しました」
この鹿追町での観測には北大天文同好会のメンバーも同行していました。「この素晴らしい感動をみんなで共有できたのが、とてもうれしかったのです」。
遠軽町のオーロラ(提供:中山さん)
2024年に入ってからも観測は継続。順調に成功を重ねました。
2024年8月12・13日に北海道遠軽町で行った観測でも、肉眼でオーロラを確認できました。さらに、もう一つ奇跡が起きました。なんとこの日はペルセウス座流星群の極大日だったのです。
オーロラと流れ星の共演。その時の光景は想像を絶するものでした。
「ぼんやりと赤く光る北の空の中で、明るい複数の柱状の白い光がゆっくり移動する様子を見ることができました。そして、その中にいくつもの流星が飛び込んでいくという、この世のものとは思えない空を眺めることができました」
2024年8月12・13日に北海道遠軽町で行った観測でも、肉眼でオーロラを確認できました。さらに、もう一つ奇跡が起きました。なんとこの日はペルセウス座流星群の極大日だったのです。
オーロラと流れ星の共演。その時の光景は想像を絶するものでした。
「ぼんやりと赤く光る北の空の中で、明るい複数の柱状の白い光がゆっくり移動する様子を見ることができました。そして、その中にいくつもの流星が飛び込んでいくという、この世のものとは思えない空を眺めることができました」
オーロラがつないだ出会い 趣味が研究テーマに
余市町のオーロラ(提供:中山さん)
2024年6月28日に観測に成功したオーロラは、中山さんにとって印象深いものでした。
「今までの観測では失敗するような規模の磁気嵐だった」
しかし、観測の成否は、実際に行ってみないと分かりません。「このあまり強くない磁気嵐で低緯度オーロラが見られたらすごい発見になるんじゃないか」。淡い思いを胸にしつつ、深夜ドライブをする感覚で近場の余市町まで出かけました。
観測地についてカメラを北の空に向けてみると、びっくり。低空が真っ赤に染まっていたと言います。
「低緯度オーロラだと確信しました。肉眼では見られませんでしたが、新たな発見ができたのではないかとワクワクを得ることができました」
「今までの観測では失敗するような規模の磁気嵐だった」
しかし、観測の成否は、実際に行ってみないと分かりません。「このあまり強くない磁気嵐で低緯度オーロラが見られたらすごい発見になるんじゃないか」。淡い思いを胸にしつつ、深夜ドライブをする感覚で近場の余市町まで出かけました。
観測地についてカメラを北の空に向けてみると、びっくり。低空が真っ赤に染まっていたと言います。
「低緯度オーロラだと確信しました。肉眼では見られませんでしたが、新たな発見ができたのではないかとワクワクを得ることができました」
大学院での氷河の研究に加え、オーロラの研究も開始
そして、この不思議なオーロラの出現について、研究者も興味を持ったようです。Xを通じて、国立極地研究所の片岡龍峰准教授からオーロラの研究のお誘いを受け、共同研究を開始しました。「3年間継続的にオーロラの観測に挑戦してきたことで、新しい興味や関心が芽生え、この共同研究のきっかけになりました」。
中山さん直伝「オーロラを撮影するコツ」
中山さんはオーロラ観測を通し、数多くのオーロラ写真を撮影しています。きれいに撮影する方法を教えてもらいました。
初心者向けはスマホを使った撮影です。カメラアプリの「星撮りカメラくん」やiPhoneのカメラのナイトモードを使用し、三脚などでスマホを固定するとぶれずにきれいに撮影できます。
また、本格的なカメラを持っている中・上級者向けの撮影方法も教えてもらいました。広角レンズで、絞り開放でISOは6400くらいまで、シャッター速度は10~15秒程度にすることでオーロラの柱状を構造しっかり写すことができると言います。
現在は太陽活動極大期なので、オーロラを見られるチャンスはたくさんあります。みなさんもぜひオーロラの観測にチャレンジしてみてください。
初心者向けはスマホを使った撮影です。カメラアプリの「星撮りカメラくん」やiPhoneのカメラのナイトモードを使用し、三脚などでスマホを固定するとぶれずにきれいに撮影できます。
また、本格的なカメラを持っている中・上級者向けの撮影方法も教えてもらいました。広角レンズで、絞り開放でISOは6400くらいまで、シャッター速度は10~15秒程度にすることでオーロラの柱状を構造しっかり写すことができると言います。
現在は太陽活動極大期なので、オーロラを見られるチャンスはたくさんあります。みなさんもぜひオーロラの観測にチャレンジしてみてください。
野中直樹
学生ライター
数学を学ぶ北大生。グルメやグッズ、研究など北大のニュースならどんな話題でも取材します。