2021.8.5

ライフスタイル

離婚前提?もしもの確率があるからこそ…『婚前契約書』は離婚条件の記載はマスト

『婚前契約書』を作成するひとは、必ずといっていいほど離婚時の条件を記載しています。それはなぜなのか?「結婚する時に離婚のことを考えたくない!」という方も、これを読んだら目からウロコ。納得しますよ!

ひとごとではない北海道の離婚率の高さ

婚姻前に『婚前契約書』を作成するカップルは、離婚をする時の項目を設けるのがほとんど。これから幸せになろうという結婚の時に、なぜ離婚のことまで考えるのか…。誰しも離婚を前提で結婚する方はいないと思いますが、残念ながら離婚に至ってしまうケースは少なくないのが現状です。

全国的にみても北海道は、離婚率の高い地域。統計を見ると、2018年は全国第3位(2.29%)。2005年は第2位(2.42%)、2010年は第3位(2.29%)と、常に道内の離婚率は高い傾向にあります。

「万が一のために」と、がん保険のコマーシャルが放送されていますが、がんは2人に1人がなる病気で、離婚も同様に、万が一どころの確率ではありません。もしもの時に慌てないためにも、『婚前契約書』に条件を決めて、結婚生活に保険?をかけておきませんか。

離婚は結婚より数倍もエネルギーを消耗します!

離婚しようとする際には、想像以上に費用も労力もかかります。もちろん円満離婚であれば問題ありませんが、全ての事柄について何の争いもない離婚は少ないものです。
というのも、まずは子どもの親権をどちらにするのかで難航します。日本では母親が親権を持つことが多いですが、十分な養育ができる環境や収入で判断するので、父親が親権を持つ事例もあります。子どもと離れたくない母親にとって、これは一番の問題になってしまいます。

次にこじれてしまうのが財産分与についてです。財産分与はとにかく折半と思われている方も多いかと思いますが、「婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配すること」をいいます。
この【協力して】と【貢献度】の割りあいはどうなのかが、話し合いを長引かせることに。
また、この財産分与は夫婦の共有財産を分配するものなので、離婚事由を作った有責配偶者から請求できます。離婚事由が不貞行為や配偶者の暴力など、どちらかが有責である場合には慰謝料の請求もあります。こうして考えるだけでも、離婚は大変なことなんですよ~。

調停離婚は想像以上に長期戦!

当人同士で協議が整わない場合には、家庭裁判所で調停の手続きをする必要があります。最近は、芸能人の方でも調停離婚に!なんてニュースがありましたね。
この調停離婚、あくまで「協議」ではありますが、これが結構長いんです。

夫婦間でまったく争いがなく、調書だけを作ってほしいという場合は1回の調停で終わりますが、協議する事項が多く、「ひとつずつ協議をしてほしい」という場合は、5年くらいかかる方もいらっしゃいます。
その間、弁護士に依頼しなければ、本人が家庭裁判所に月に1回足を運ばなければなりませんし、自分の主張を通すためにさまざまな資料や文書の作成もしなければなりません。これを何年も続けなければならないのです。

仲良しの時こそ話し合えることもあるんです♪

離婚の協議や調停は、どちらかが離婚したいと申し出てからの話し合いです。つまり仲が良くない状態での話し合いになります。しかも全ての事柄において、感情が入るので、なかなか協議が整いにくいのが現状です。
一方、結婚する前はどうでしょうか?
まず二人の仲がとてもよい状態ですよね!ラブラブの二人は、離婚のことなど考えられないのが普通です。
『婚前契約書』を作りたいなと思っている方は、「離婚の時にもめたくないから、財産分与の【協力して】とか【貢献度】は関係なく、結婚してから築いた財産の全部について折半をしよう」や、笑い話のひとつとして「浮気したら〇〇万円ね!」と、あまり現実的に捉えず、むしろ楽しい話し合いが可能ですよ!
もちろん笑い話にしすぎて、あまりにも高額な慰謝料の設定などは意味がありませんが、婚姻前に楽しく話し合っておくことをオススメします。

(司法書士 大西千桜里)

*2019.5.31公開

ひとごとではない北海道の離婚率の高さ

婚姻前に『婚前契約書』を作成するカップルは、離婚をする時の項目を設けるのがほとんど。これから幸せになろうという結婚の時に、なぜ離婚のことまで考えるのか…。誰しも離婚を前提で結婚する方はいないと思いますが、残念ながら離婚に至ってしまうケースは少なくないのが現状です。

全国的にみても北海道は、離婚率の高い地域。統計を見ると、2018年は全国第3位(2.29%)。2005年は第2位(2.42%)、2010年は第3位(2.29%)と、常に道内の離婚率は高い傾向にあります。

「万が一のために」と、がん保険のコマーシャルが放送されていますが、がんは2人に1人がなる病気で、離婚も同様に、万が一どころの確率ではありません。もしもの時に慌てないためにも、『婚前契約書』に条件を決めて、結婚生活に保険?をかけておきませんか。

離婚は結婚より数倍もエネルギーを消耗します!

離婚しようとする際には、想像以上に費用も労力もかかります。もちろん円満離婚であれば問題ありませんが、全ての事柄について何の争いもない離婚は少ないものです。
というのも、まずは子どもの親権をどちらにするのかで難航します。日本では母親が親権を持つことが多いですが、十分な養育ができる環境や収入で判断するので、父親が親権を持つ事例もあります。子どもと離れたくない母親にとって、これは一番の問題になってしまいます。

次にこじれてしまうのが財産分与についてです。財産分与はとにかく折半と思われている方も多いかと思いますが、「婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配すること」をいいます。
この【協力して】と【貢献度】の割りあいはどうなのかが、話し合いを長引かせることに。
また、この財産分与は夫婦の共有財産を分配するものなので、離婚事由を作った有責配偶者から請求できます。離婚事由が不貞行為や配偶者の暴力など、どちらかが有責である場合には慰謝料の請求もあります。こうして考えるだけでも、離婚は大変なことなんですよ~。

調停離婚は想像以上に長期戦!

当人同士で協議が整わない場合には、家庭裁判所で調停の手続きをする必要があります。最近は、芸能人の方でも調停離婚に!なんてニュースがありましたね。
この調停離婚、あくまで「協議」ではありますが、これが結構長いんです。

夫婦間でまったく争いがなく、調書だけを作ってほしいという場合は1回の調停で終わりますが、協議する事項が多く、「ひとつずつ協議をしてほしい」という場合は、5年くらいかかる方もいらっしゃいます。
その間、弁護士に依頼しなければ、本人が家庭裁判所に月に1回足を運ばなければなりませんし、自分の主張を通すためにさまざまな資料や文書の作成もしなければなりません。これを何年も続けなければならないのです。

仲良しの時こそ話し合えることもあるんです♪

離婚の協議や調停は、どちらかが離婚したいと申し出てからの話し合いです。つまり仲が良くない状態での話し合いになります。しかも全ての事柄において、感情が入るので、なかなか協議が整いにくいのが現状です。
一方、結婚する前はどうでしょうか?
まず二人の仲がとてもよい状態ですよね!ラブラブの二人は、離婚のことなど考えられないのが普通です。
『婚前契約書』を作りたいなと思っている方は、「離婚の時にもめたくないから、財産分与の【協力して】とか【貢献度】は関係なく、結婚してから築いた財産の全部について折半をしよう」や、笑い話のひとつとして「浮気したら〇〇万円ね!」と、あまり現実的に捉えず、むしろ楽しい話し合いが可能ですよ!
もちろん笑い話にしすぎて、あまりにも高額な慰謝料の設定などは意味がありませんが、婚姻前に楽しく話し合っておくことをオススメします。

(司法書士 大西千桜里)

*2019.5.31公開

2019年初夏に誕生した「SASARU」編集部では北海道民や北海道外に住む道産子、北海道が大好きな方…多くの人の心に刺さる北海道の話題や、つい押ささってしまう情報を集めています。編集部では、読んでくれる皆さんの日常生活に「SASARU」が染み入るように、日々企画を考え取材をしています。 読まさる記事、見ささる記事が、皆さんの心にささりますように。

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