2021.2.5

ライフスタイル

「働きたいけど」◯◯万円の壁?扶養の範囲2021年最新版

ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。
共働きをする上で出てくる言葉に「扶養の範囲」があります。「◯◯万円の壁」という表現を聞いたことがある人も多いことでしょう。
今回は、会社員の「扶養の範囲」の働き方について解説していきたいと思います。

「扶養の範囲」とは税金と社会保険料がお得な働き方のこと

会社員と専業主婦・専業主夫の夫婦をイメージしてみてください。この組み合わせの夫婦には、税金(所得税と住民税)、社会保険料(保険と年金)の大きな優遇があります。かつてより日本では会社員男性と専業主婦の夫婦が多い理由がよくわかりますよね。
 
でも、専業主婦・専業主夫が完全な無収入でなくとも、「一定額まで働く分には優遇しますよ」という範囲が存在します。これがいわゆる扶養の範囲です。優遇を受けつつ、働いた収入は手に入るわけですから「お得な働き方」という考え方があるわけです。パートのお仕事、プチ起業などが代表例です。
 
扶養の範囲からはみ出してしまうようであれば、夫婦共々しっかり税金と社会保険料を納めることになります。その場合、フルタイムのお仕事や自営業でできるだけ多くの収入を得られると家計的にはベストですね。

「扶養の範囲コンプリート」を目指すなら?

専業主婦・専業主夫と同じように税金と社会保険料がもっとも少なくなる働き方、いわば「扶養の範囲コンプリート」を目指すためには、もっとも少ない収入を狙う働き方をする必要があります。
 
お住まいの地域により違いますが、多くの地域で次の金額まで働いてもOKです。

・雇用(パート労働):年収100万円
・雇用以外(個人事業主):売上-必要経費(-青色申告特別控除)=45万円

 
地域によっては、上の表より数万円少ない金額にする必要がありますが、少し超えてしまっても、年間5,000円程度の住民税がかかるだけなのでダメージは小さいでしょう。
それすら避けるには、上の表よりも10万円少なく働くことを目指してください。厳密な金額を確認したい場合はお住まいの地域の役所・役場でご確認ください。
 
この基準は「住民税の壁」です。でも、この壁は気にせず働いている人も多いので次なる壁にご注目ください。

そこそこ重要!「所得税の壁」超えで、自分も配偶者も負担増!

次の金額を超えて働くと前述の住民税に加え所得税がかかります。また、超える額によって、配偶者の所得税も段階的に増えていきます。

・雇用(パート労働):年収103万円
・雇用以外(個人事業主):売上-必要経費(-青色申告特別控除)=48万円

 
この基準は「103万円の壁」としてとても有名ですので、意識している人は多いですね。

かなり重要!「保険と年金の壁」保障も増えるが手取りは激減!

次の壁に達すると、自分で保険(健康保険か国民健康保険)と年金(厚生年金か国民年金)の保険料を納めることになります。逆にいうと、この壁の手前の収入なら、保険と年金の保険料がゼロ円なのです。

・雇用(大手でパート労働):年収106万円
 雇用(中小でパート労働):年収130万円
・雇用以外:売上130万円(一部の必要経費を差し引いてくれる健保組合もある)

 
雇用(パート労働)の場合、勤め先の規模を大手・中小とざっくり示しています。これは、大手か中小かの判断にはいくつも要件があることと、今後も法律の改正が続くためです。悩ましい規模の場合は、自身の職場の総務課などに「この職場で社会保険に入る基準は106万円ですか?130万円ですか?」と確認してください。
 
雇用以外(個人事業主)の場合、純粋に売上で判断してくる会社(健保組合)もあれば、一部の経費だけを差し引いて判断してくれる会社(健保組合)もあります。ただし、青色申告特別控除(10万円・65万円)を差し引いてくれることはありません。
配偶者の職場の総務課などに「社会保険の扶養内で個人事業主として働く場合、認められる必要経費はありますか?」と確認しましょう。慎重にいくなら売上ベースで130万円を切ることです。
 
元々は「130万円の壁」として有名でしたが、今は企業規模や働き方によって一概に130万円とは表現しにくくなってしまいました。今は各自の確認がとても重要です。

まとめ

細かい壁は他にもありますが、今回お伝えした3つの壁を意識することがおすすめです。
特に3つ目の壁に達してしまうようであれば、思い切って稼ぐ方に舵を切りましょう。つまり、雇用ならフルタイムを目指す、雇用以外なら売上をセーブしないでできるだけ稼ぐということを目指すことです。

「扶養の範囲」とは税金と社会保険料がお得な働き方のこと

会社員と専業主婦・専業主夫の夫婦をイメージしてみてください。この組み合わせの夫婦には、税金(所得税と住民税)、社会保険料(保険と年金)の大きな優遇があります。かつてより日本では会社員男性と専業主婦の夫婦が多い理由がよくわかりますよね。
 
でも、専業主婦・専業主夫が完全な無収入でなくとも、「一定額まで働く分には優遇しますよ」という範囲が存在します。これがいわゆる扶養の範囲です。優遇を受けつつ、働いた収入は手に入るわけですから「お得な働き方」という考え方があるわけです。パートのお仕事、プチ起業などが代表例です。
 
扶養の範囲からはみ出してしまうようであれば、夫婦共々しっかり税金と社会保険料を納めることになります。その場合、フルタイムのお仕事や自営業でできるだけ多くの収入を得られると家計的にはベストですね。

「扶養の範囲コンプリート」を目指すなら?

専業主婦・専業主夫と同じように税金と社会保険料がもっとも少なくなる働き方、いわば「扶養の範囲コンプリート」を目指すためには、もっとも少ない収入を狙う働き方をする必要があります。
 
お住まいの地域により違いますが、多くの地域で次の金額まで働いてもOKです。

・雇用(パート労働):年収100万円
・雇用以外(個人事業主):売上-必要経費(-青色申告特別控除)=45万円

 
地域によっては、上の表より数万円少ない金額にする必要がありますが、少し超えてしまっても、年間5,000円程度の住民税がかかるだけなのでダメージは小さいでしょう。
それすら避けるには、上の表よりも10万円少なく働くことを目指してください。厳密な金額を確認したい場合はお住まいの地域の役所・役場でご確認ください。
 
この基準は「住民税の壁」です。でも、この壁は気にせず働いている人も多いので次なる壁にご注目ください。

そこそこ重要!「所得税の壁」超えで、自分も配偶者も負担増!

次の金額を超えて働くと前述の住民税に加え所得税がかかります。また、超える額によって、配偶者の所得税も段階的に増えていきます。

・雇用(パート労働):年収103万円
・雇用以外(個人事業主):売上-必要経費(-青色申告特別控除)=48万円

 
この基準は「103万円の壁」としてとても有名ですので、意識している人は多いですね。

かなり重要!「保険と年金の壁」保障も増えるが手取りは激減!

次の壁に達すると、自分で保険(健康保険か国民健康保険)と年金(厚生年金か国民年金)の保険料を納めることになります。逆にいうと、この壁の手前の収入なら、保険と年金の保険料がゼロ円なのです。

・雇用(大手でパート労働):年収106万円
 雇用(中小でパート労働):年収130万円
・雇用以外:売上130万円(一部の必要経費を差し引いてくれる健保組合もある)

 
雇用(パート労働)の場合、勤め先の規模を大手・中小とざっくり示しています。これは、大手か中小かの判断にはいくつも要件があることと、今後も法律の改正が続くためです。悩ましい規模の場合は、自身の職場の総務課などに「この職場で社会保険に入る基準は106万円ですか?130万円ですか?」と確認してください。
 
雇用以外(個人事業主)の場合、純粋に売上で判断してくる会社(健保組合)もあれば、一部の経費だけを差し引いて判断してくれる会社(健保組合)もあります。ただし、青色申告特別控除(10万円・65万円)を差し引いてくれることはありません。
配偶者の職場の総務課などに「社会保険の扶養内で個人事業主として働く場合、認められる必要経費はありますか?」と確認しましょう。慎重にいくなら売上ベースで130万円を切ることです。
 
元々は「130万円の壁」として有名でしたが、今は企業規模や働き方によって一概に130万円とは表現しにくくなってしまいました。今は各自の確認がとても重要です。

まとめ

細かい壁は他にもありますが、今回お伝えした3つの壁を意識することがおすすめです。
特に3つ目の壁に達してしまうようであれば、思い切って稼ぐ方に舵を切りましょう。つまり、雇用ならフルタイムを目指す、雇用以外なら売上をセーブしないでできるだけ稼ぐということを目指すことです。

川部紀子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士

ファイナンシャルプランナー(CFP®、1級FP技能士)社会保険労務士として全国で活動中。講演・セミナー、執筆、相談業務の他、テレビ、ラジオ等メディア出演も多数。初心者にも分かりやすい解説と楽しく飽きさせない語り口に定評があり、「お金」にまつわる講師依頼は年間約200件。受講者は3万人を超えた。近著『まだ間に合う 老後資金4000万円をつくる! お金の貯め方・増やし方』(明日香出版社)も好評発売中。

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