今、世界中で金が大注目されています。10月16日には1グラム 1万4088円と、過去最高値を更新しました。今後も高水準が続く見通しです。
そんな中、北海道南部の金山跡地で、企業が金山開発の調査を計画しています。果たして、金は出てくるのでしょうか? 北海道でゴールドラッシュの兆し? 現地で追跡取材してきました。
企業が調査を計画しているのは、北海道南部の長万部町と黒松内町にまたがる広大な山林地帯です。この一帯にはかつて、静狩金山がありました。
明治時代に発見され、1918年に本格的に金採掘を開始。総産出量が全国9位の5089キログラムを誇ったこともあり、「金湧く静狩」とも呼ばれたそう。1943 年(昭和18年)に閉山しました。
閉山から80年以上経過した2024年2月、オーストラリア企業の子会社「JapeX(ジャペックス)」が鉱物の有無などを調査できる試掘権を獲得。担当者によると、静狩金山は政府から強制的に閉山させられたため、有望な鉱脈が残っている可能性があるといいます。
計画では、ドローンなどを使って航空や地表などからデータを収集した上で、地中を掘るボーリング調査を実施。その上で鉱物を確認し、採算性があった場合、実際に金を掘る採掘権を申請する流れです。試掘権の有効期限は2年で、最長6年まで延長できます。
この計画に対し、地元住民からはさまざまな声が上がっています。
「金に関わる長万部町になってくれれば、大変な目玉。若い人たちが金を求めて長万部町に来てもらえるようなツアーでもできると大歓迎」と話すのは、長万部町で60年以上続く旅館の経営者、角健さん。
高齢化や少子化などで人口が減った町が、再び賑わうことを期待しています。
「金に関わる長万部町になってくれれば、大変な目玉。若い人たちが金を求めて長万部町に来てもらえるようなツアーでもできると大歓迎」と話すのは、長万部町で60年以上続く旅館の経営者、角健さん。
高齢化や少子化などで人口が減った町が、再び賑わうことを期待しています。
一方、自然環境への影響を懸念する声も。
黒松内町で牧場を経営する女性は、金の採掘によって、農業に欠かせない「水」に影響が出るのではないかと心配しています。
「私たちが生活用水で使っている水を、牛たちも飲んでいる。水がダメになったら、ここの命は絶えてしまう」
黒松内町で牧場を経営する女性は、金の採掘によって、農業に欠かせない「水」に影響が出るのではないかと心配しています。
「私たちが生活用水で使っている水を、牛たちも飲んでいる。水がダメになったら、ここの命は絶えてしまう」
採掘調査エリア近くを流れる朱太川は、道内有数の清流。朱太川漁業協同組合の安田研二理事長も「この川を汚染されたら終わり。うちの漁協も成り立たない」と水質悪化を懸念します。
こうした声が上がる中、企業側は7月、説明会を実施しました。JapeX の担当者は「計画では、現在の環境を変えずに調査するだけ。丁寧に説明したい」と理解を求めています。
鉱山は一旦掘り始めると、半永久的に管理していかなければなりません。
旧手稲鉱山では1986年、坑廃水が流れ出る事故が起きました。道路が通行止めになったり、床下浸水をはじめ住宅被害が出たりしました。
旧手稲鉱山では1986年、坑廃水が流れ出る事故が起きました。道路が通行止めになったり、床下浸水をはじめ住宅被害が出たりしました。
有害重金属のカドミウムやヒ素を含んだ水が川を伝って日本海へ流出し、約1万匹の魚が死んでしまう被害にもつながりました。
このような事故が起こらないよう、採掘企業は環境への配慮を入念に行う必要があります。
このような事故が起こらないよう、採掘企業は環境への配慮を入念に行う必要があります。
「北海道に金が眠っているのかも」とワクワクしたり、環境への影響が気掛かりだったり… 。ゴールドラッシュの再来なるか? 今後の動向に注目していきたいですね。
みんテレ10月16日OAのものです。
(上記の情報は記事作成時点でのものです)
(上記の情報は記事作成時点でのものです)
企業が調査を計画しているのは、北海道南部の長万部町と黒松内町にまたがる広大な山林地帯です。この一帯にはかつて、静狩金山がありました。
明治時代に発見され、1918年に本格的に金採掘を開始。総産出量が全国9位の5089キログラムを誇ったこともあり、「金湧く静狩」とも呼ばれたそう。1943 年(昭和18年)に閉山しました。
閉山から80年以上経過した2024年2月、オーストラリア企業の子会社「JapeX(ジャペックス)」が鉱物の有無などを調査できる試掘権を獲得。担当者によると、静狩金山は政府から強制的に閉山させられたため、有望な鉱脈が残っている可能性があるといいます。
計画では、ドローンなどを使って航空や地表などからデータを収集した上で、地中を掘るボーリング調査を実施。その上で鉱物を確認し、採算性があった場合、実際に金を掘る採掘権を申請する流れです。試掘権の有効期限は2年で、最長6年まで延長できます。
この計画に対し、地元住民からはさまざまな声が上がっています。
「金に関わる長万部町になってくれれば、大変な目玉。若い人たちが金を求めて長万部町に来てもらえるようなツアーでもできると大歓迎」と話すのは、長万部町で60年以上続く旅館の経営者、角健さん。
高齢化や少子化などで人口が減った町が、再び賑わうことを期待しています。
「金に関わる長万部町になってくれれば、大変な目玉。若い人たちが金を求めて長万部町に来てもらえるようなツアーでもできると大歓迎」と話すのは、長万部町で60年以上続く旅館の経営者、角健さん。
高齢化や少子化などで人口が減った町が、再び賑わうことを期待しています。
一方、自然環境への影響を懸念する声も。
黒松内町で牧場を経営する女性は、金の採掘によって、農業に欠かせない「水」に影響が出るのではないかと心配しています。
「私たちが生活用水で使っている水を、牛たちも飲んでいる。水がダメになったら、ここの命は絶えてしまう」
黒松内町で牧場を経営する女性は、金の採掘によって、農業に欠かせない「水」に影響が出るのではないかと心配しています。
「私たちが生活用水で使っている水を、牛たちも飲んでいる。水がダメになったら、ここの命は絶えてしまう」
採掘調査エリア近くを流れる朱太川は、道内有数の清流。朱太川漁業協同組合の安田研二理事長も「この川を汚染されたら終わり。うちの漁協も成り立たない」と水質悪化を懸念します。
こうした声が上がる中、企業側は7月、説明会を実施しました。JapeX の担当者は「計画では、現在の環境を変えずに調査するだけ。丁寧に説明したい」と理解を求めています。
鉱山は一旦掘り始めると、半永久的に管理していかなければなりません。
旧手稲鉱山では1986年、坑廃水が流れ出る事故が起きました。道路が通行止めになったり、床下浸水をはじめ住宅被害が出たりしました。
旧手稲鉱山では1986年、坑廃水が流れ出る事故が起きました。道路が通行止めになったり、床下浸水をはじめ住宅被害が出たりしました。
有害重金属のカドミウムやヒ素を含んだ水が川を伝って日本海へ流出し、約1万匹の魚が死んでしまう被害にもつながりました。
このような事故が起こらないよう、採掘企業は環境への配慮を入念に行う必要があります。
このような事故が起こらないよう、採掘企業は環境への配慮を入念に行う必要があります。
「北海道に金が眠っているのかも」とワクワクしたり、環境への影響が気掛かりだったり… 。ゴールドラッシュの再来なるか? 今後の動向に注目していきたいですね。
みんテレ10月16日OAのものです。
(上記の情報は記事作成時点でのものです)
(上記の情報は記事作成時点でのものです)
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