2024.8.2

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「国産ウナギ」が安くなる日が来る!“雪”をつかった「北海道産ウナギ」4000匹がスタンバイ

 甘く香ばしい香り、食欲をそそるふっくらとした身。この時期、一度は食べたくなるウナギですが、値段は高く、まさに高嶺の花。そこで水産庁は、今後100%人工で行うウナギの完全養殖の目標を示しました。国産ウナギが安くなる日も近いのか…。調べてきました!

 まず、私たちが普段口にするウナギのほとんば養殖。高いと頭を悩ませるのが国産、主に「ニホンウナギ」という種類です。

 では、なぜ国産が高いのかというと、天然の稚魚シラスウナギを漁獲し養殖してから市場に出るのですが、シラスウナギの漁獲量が環境の変化や乱獲が原因で激減しているからなんですって。
 
 そこで、卵から完全養殖をしようと研究が進められているのですが、世界初の人工ふ化成功から50年以上がたった今もウナギにはわからないことが多いのだそう。
 
 水産庁は2050年までにすべて完全養殖に切り替える目標を掲げていますが、果たして、それによってウナギが安く食べられる日は来るのでしょうか?
 
 北海道大学水産学部の井尻成保准教授によると「ウナギが安くなるとしたらエネルギー価格が下がる、魚粉の価格が下がることが必要」とのこと。

 ポイントはエサ代とエネルギーです。課題解決の糸口はなんと北海道にありました!

 エネルギー削減で値段が安くなり、まさにうなぎ上りならぬウナギ下がり? 謎の道産ウナギは救世主になるのか?ウナギが安くなる日は近いのでしょうか?
 北海道産のウナギを求めて向かったのは美唄市。謎に包まれた道産ウナギ。期待に胸を膨らませながら、ウナギを養殖している施設に到着しました。
 
 早速、中に入ってみると…湿気もあって池がたくさん並んでいます。
 そして、池の中にはたくさんのウナギ!
 
 ホワイトデータセンターの本間弘達さんによると、もう少しで出荷サイズになるウナギが4000匹くらいいるそうです。

 現在、こちらの施設では最大1万7千匹ほどのウナギを養殖することができ、近いうち敷地内に施設を増やし拡大も検討しているといいます。
 さらに驚いたのが…雪解け水を使って飼育をしているということ。それで「雪うなぎ」という名前を付けたのだそう。

 
 年間の降雪量が7メートルを超える美唄市。厄介者とされる雪を何かに活用できないかとこちらの企業が始めたのは、コンピューターサーバーを電気を使わず雪で冷やす「雪冷却システム」。

 その際、コンピューターの熱で溶ける雪をさらに活用できないかと始めたのが今回のニホンウナギの養殖です。しかし、なぜウナギだったのでしょうか?
 
 本間さんによると、養鰻マップという日本地図があり、見たとき愕然としたのだそう。

 「北海道がゼロだったので、日本地図から消されていて青森が一番上にあった。ショックでした。何とか北海道でウナギの養殖を始めたいと思ったのがきっかけ」と話します。
 ウナギの成長には水温28度から29度が適温と言われていますが、冷却システムとコンピューターサーバーから出る熱で水温を調整することにより、北海道での養殖を可能にしました。

 無限の可能性を秘める「雪冷却システム」。その仕組みを知ろうと外に出てみるとそこには…
 ウッドチップ(木のくず)でおおわれた雪山が。
 
 「美唄市内の除排雪を受け入れています」と本間さん。皆さんの家の前にあった雪なんだそう。
 
 ウッドチップを30センチ雪の上にかけることで断熱材の代わりになり、1年間で1.5メートルしか溶けないんですって。

 
 地下にはパイプがあり、そこに不凍液を流し、雪解け水を循環させることでサーバーを冷やしています。

 ウナギを養殖している水槽の水も雪解け水を精製したもので、敷地内で大阪の化粧品会社が精製を担当しています。
 雪解け水は分子が小さく人の肌にも浸透しやすいといわれており、化粧品づくりに活用しながら、繊細さが求められるウナギの養殖の水としても使用されています。

 「雪1トンを使うと油10リットル分のエネルギーと同じ。油1リットル100円くらいしますよね? 雪1トンはだいたい1,000円くらい」と本間さん。

 そう考えると雪を見る目が変わってきますよね。ただウナギを育てているだけじゃない、雪を使ってというのが北海道らしい事業ですね!
 
 気になるのはそのお味! 札幌すすきので60年以上続くウナギ専門店「かど屋」ではこの日、美唄市にゆかりのある人が集まり「雪うなぎ」の試食会が行われていました。

 「新鮮な感じがする」「おいしいです、とっても!やわらかい」「地元でウナギが養殖されて地元で食べられるのはうれしいです」と参加者にも好評のようでした。
 
 かど屋の店長、八巻直宏さんは雪うなぎの養殖にあたり試食会を何度も開き、おいしいウナギの特徴や生育環境などをアドバイスしてきました。

 味はどんどんおいしくなっているんですって。
 「お店で出すウナギは九州、静岡から空輸で仕入れているもの。車で1時間、生産者と顔を合わせられることは非常に期待しています。北海道産のウナギというブランド価値というか、そういう風になっていったらうれしい」と話していましたよ。
 
*みんテレ7月24日OAのものです
(上記の情報は記事作成時点でのものです。
最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください)
 まず、私たちが普段口にするウナギのほとんば養殖。高いと頭を悩ませるのが国産、主に「ニホンウナギ」という種類です。

 では、なぜ国産が高いのかというと、天然の稚魚シラスウナギを漁獲し養殖してから市場に出るのですが、シラスウナギの漁獲量が環境の変化や乱獲が原因で激減しているからなんですって。
 
 そこで、卵から完全養殖をしようと研究が進められているのですが、世界初の人工ふ化成功から50年以上がたった今もウナギにはわからないことが多いのだそう。
 
 水産庁は2050年までにすべて完全養殖に切り替える目標を掲げていますが、果たして、それによってウナギが安く食べられる日は来るのでしょうか?
 
 北海道大学水産学部の井尻成保准教授によると「ウナギが安くなるとしたらエネルギー価格が下がる、魚粉の価格が下がることが必要」とのこと。

 ポイントはエサ代とエネルギーです。課題解決の糸口はなんと北海道にありました!

 エネルギー削減で値段が安くなり、まさにうなぎ上りならぬウナギ下がり? 謎の道産ウナギは救世主になるのか?ウナギが安くなる日は近いのでしょうか?
 北海道産のウナギを求めて向かったのは美唄市。謎に包まれた道産ウナギ。期待に胸を膨らませながら、ウナギを養殖している施設に到着しました。
 
 早速、中に入ってみると…湿気もあって池がたくさん並んでいます。
 そして、池の中にはたくさんのウナギ!
 
 ホワイトデータセンターの本間弘達さんによると、もう少しで出荷サイズになるウナギが4000匹くらいいるそうです。

 現在、こちらの施設では最大1万7千匹ほどのウナギを養殖することができ、近いうち敷地内に施設を増やし拡大も検討しているといいます。
 さらに驚いたのが…雪解け水を使って飼育をしているということ。それで「雪うなぎ」という名前を付けたのだそう。

 
 年間の降雪量が7メートルを超える美唄市。厄介者とされる雪を何かに活用できないかとこちらの企業が始めたのは、コンピューターサーバーを電気を使わず雪で冷やす「雪冷却システム」。

 その際、コンピューターの熱で溶ける雪をさらに活用できないかと始めたのが今回のニホンウナギの養殖です。しかし、なぜウナギだったのでしょうか?
 
 本間さんによると、養鰻マップという日本地図があり、見たとき愕然としたのだそう。

 「北海道がゼロだったので、日本地図から消されていて青森が一番上にあった。ショックでした。何とか北海道でウナギの養殖を始めたいと思ったのがきっかけ」と話します。
 ウナギの成長には水温28度から29度が適温と言われていますが、冷却システムとコンピューターサーバーから出る熱で水温を調整することにより、北海道での養殖を可能にしました。

 無限の可能性を秘める「雪冷却システム」。その仕組みを知ろうと外に出てみるとそこには…
 ウッドチップ(木のくず)でおおわれた雪山が。
 
 「美唄市内の除排雪を受け入れています」と本間さん。皆さんの家の前にあった雪なんだそう。
 
 ウッドチップを30センチ雪の上にかけることで断熱材の代わりになり、1年間で1.5メートルしか溶けないんですって。

 
 地下にはパイプがあり、そこに不凍液を流し、雪解け水を循環させることでサーバーを冷やしています。

 ウナギを養殖している水槽の水も雪解け水を精製したもので、敷地内で大阪の化粧品会社が精製を担当しています。
 雪解け水は分子が小さく人の肌にも浸透しやすいといわれており、化粧品づくりに活用しながら、繊細さが求められるウナギの養殖の水としても使用されています。

 「雪1トンを使うと油10リットル分のエネルギーと同じ。油1リットル100円くらいしますよね? 雪1トンはだいたい1,000円くらい」と本間さん。

 そう考えると雪を見る目が変わってきますよね。ただウナギを育てているだけじゃない、雪を使ってというのが北海道らしい事業ですね!
 
 気になるのはそのお味! 札幌すすきので60年以上続くウナギ専門店「かど屋」ではこの日、美唄市にゆかりのある人が集まり「雪うなぎ」の試食会が行われていました。

 「新鮮な感じがする」「おいしいです、とっても!やわらかい」「地元でウナギが養殖されて地元で食べられるのはうれしいです」と参加者にも好評のようでした。
 
 かど屋の店長、八巻直宏さんは雪うなぎの養殖にあたり試食会を何度も開き、おいしいウナギの特徴や生育環境などをアドバイスしてきました。

 味はどんどんおいしくなっているんですって。
 「お店で出すウナギは九州、静岡から空輸で仕入れているもの。車で1時間、生産者と顔を合わせられることは非常に期待しています。北海道産のウナギというブランド価値というか、そういう風になっていったらうれしい」と話していましたよ。
 
*みんテレ7月24日OAのものです
(上記の情報は記事作成時点でのものです。
最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください)

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